" ステラは先程のブレスレットとは色が異なる、白色の物を机の引き出しから取り出し、サキカに手渡してきた. ブレスレットに刻み込まれた魔方陣を読み取ると、これは魔力を五分の一に 買日本樓風險 えるものだろうということがわかる. サキカは受け取ったそれを、無言で己の左腕につけた.「……これでもAAAランク下位ぐらいね」 ステラが軽く溜息を吐いた.「仕方がありませんよ.俺はこれでもXランクですから」「そうですよ.サキカの魔力量が多いのは、当たり前です」 ──最強なのだから. 今まではそれが理由で忙しく、学園に通えなかった.だが、戦争がおさまりつつある今は以前程忙しくは無くなり、通うことが出来る. そして、それが理由で今までの同年代の子供に関わることすら少なく、友人はガイアと二人の少年だけだった.「……友人は、出来るでしょうか」 無意識にポツリと呟く.「ああ、すぐに出来る」 独り言だったにもかかわらず、ガイアは答えてくれた.「……そう、だよね」 こんな自分に、友人とやらは本当にできるのだろうか.同年代の子供と話す機会も少なく、共通の話題を見つけるのにも苦労しそうなサキカに. ──昔のように、忌避され、疎まれてしまうのではなかろうか. 顔が強張る.しかし、サキカは弱音を吐くわけにはいかないのだ.最強と呼ばれ、皆に頼われる存在であるサキカは、弱い面を他者に見せるわけにはいかないのだ. 抱いた不安を隠すように、サキカは笑顔を作り、それをガイアに向けた.